木造在来工法(躯体)

 木造軸組み工法

在来工法であれば躯体の組み方は、ほとんど変わりはありません。
細かくは、小屋組みだけをとっても色々な違いが有りますが、大きく分類すると違いが出るのは、材質・太さ・筋交いの取り方(壁倍率)辺りかと思います。

土台の材質

土台で使われる材木は、一般的に防腐性に優れ、シロアリも寄って来にくいものが有効です。
皆さんも良く聞く事と思いますが、昔から、ヒノキ、ヒバは虫が付きにくい事が有名で、腐りにくく、そして加工がしやすい材料です。
「加工しやすい」も肝心で、加工しにくい材料の中には、ヒノキよりも優れた防腐・防蟻性能のある材料もあります。
ヒノキ、ヒバを土台として利用する場合は、薬剤処理は不要とされ、材をそのまま土台に利用します。
しかし、ヒノキにも絶対は無く、可能であれば、防蟻防腐処理剤も併せて利用すると、より効果的と言われています。
ヒノキよりは少し劣りますが、同じような特性で、加工しやすい材料に栂や松といった材料も土台に良く使われます。
これらは、やはり防蟻防腐処理を施したもので利用した方が良いです。土台であればできれば材の内部まで浸透させる注入式の処理の仕方の方が良いです。

今現在では、「集成材」と呼ばれる、木材を寸断・貼り合せ加工した柱が用いられることが多いですが、土台に関しては、上下からの荷重で押さえつけられ、変形の可能性が少ない事から、無垢材(加工しない材料)の方がベターです。
これは、ひとつ前の話の防蟻・防腐処理の注入式の場合に、内部まで浸透させる事に優れているためです。

材料も肝心ですが、何よりも乾燥状態を作り続ける事が肝心で、基礎の換気工法に重点が行きます。
乾燥した材料はシロアリの発生が極端に少なくなります。
土の上に何種類かの材料を置いて、材料ごとに虫の食われ具合を比較する研究の資料を良く目にしますが、基本的に土に触れている部分から食害を受けていますし、濡れている事が虫が食いやすい条件である事は間違いありません。

土台は躯体のベースなので、検討される事をお勧めしますが、住宅会社の基本仕様のままでもあまり支障は出ないものと思います。
あんまりにも変わっている材料であった場合のみ、確認をしてみて下さい。

柱の材質

柱は最近では、集成材が主流になりつつあります。
これは、強度で無垢材の1.5倍と言われております。変形に対しても強さが有るため、住宅会社が好みます。
なぜかというと、反りやねじれ等の変形が少ない事はドアの建てつけや内壁材にも影響し、メンテナンスに掛かる後の経費の削減につながる為です。

もちろん建て主側も、変形が少ない事には異論なく賛同します。
同じ材料の場合、加工費がかさむ分集成材の方が金額面は上がります。
しかし、メンテナンスなど後で掛かる経費を考えると、住宅会社としては安く収まる事も考えられます。

集成材でも柱に使う材料は、当然、木の端っこ等使いません。たいがいが心材と呼ばれる木の中心部分での加工となります。

少し前まで、この加工に要する接着剤が良くありませんでした。有害なホルムアルデヒドを含んでいたり、接着が十分でなく剥離する事も考えられました。
しかし今は技術の進歩で、有害とならない接着剤が開発され、剥離もほとんど見られない事から、多くの住宅で使われるようになりました。

材質としては、ヒノキやカラマツの集成材が良いのではないかと思います。
土台よりも、虫の被害は想定しにくいので、柱は注入式の防蟻・防腐処理までは不要で、下部分に塗付する程度で十分です。

無垢材でも、十分に乾燥させた材料であれば、全く問題ないですし、無垢の方が見た目に味が有り、においも自然を感じる事が出来ます。
気を付けたいのは、乾燥の度合いの少ない無垢材です。これは変形の多い材料なので、無垢を売りにした住宅会社の中でも、利用材料は様々なので、担当者に良く確認した方が良いです。

集成材でも住んでから材料が割れる音は聞こえますが、無垢材ではもっと聞こえます。
いくら乾燥させてもこれはなかなか防げず、木造の宿命かとも思います。
表面に見せる材木は、背割れと言って、見えない側を強制的に割っておくこともありますが、これも、住んでからの割れが発生する想定のために行うものです。強度は問題ありません。
強度には影響ないため、安心した上で、この割れる音とはうまく付き合う必要が有ります。

最近の工法で大壁工法(出来上がりで柱が見えない)を採用する住宅が多いため、見た目が重視されなくなって来た事も、集成材が多く使われる事の要因かと思います。

太さについては、通し柱(1・2階まで続く長さの柱)や隅柱(建物の角にくる柱)で、4寸以上、管柱(窓枠などのわきにくる柱)で3.5寸以上がお勧めです。
昔の家は「大黒柱」といって、7寸以上もある柱が、家の中心になる構造もありました。
今の建物は”構造計算”ができるため、これで十分です。

昔は感覚や経験から出てくる技術で設計を考えていた為、材の太さにも余裕を持たせる造りにしていたのではないかと思います。
そのため「大黒柱」という考えがあったのかもしれません。
今は、バランスも重視した構造計算での強度を確保しており、「大黒柱」は少なくなってきました。

木材は自然のものなので、出来・不出来の個体差が出ます。
そのため、1本1本の強度の違いがある事で、規格品(JIS等)となる事が非常に難しいものです。
今でも集成加工されたもの以外の規格品とされた材木はほとんどありません。
(集成材は大半がJIS規格品です。)
無垢材を使う場合は少し余裕を見て、管柱も4寸としておいた方が無難かもしれません。

話が長くなってきましたが、ここから”筋交い”の話をさせて頂きます。

以前の工法での建物では、今現在、大地震が来た際には倒壊する恐れのある建物も多く有ります。
それらの建物の多くは、掃き出し窓(人が出入りできる大きい窓)等の、光を取り入れるための窓が多くあります。
その分、「壁が少ない」という建物が危険性が多くあると言われております。

採光は大切なもので、自然の力の有効利用は十分すべきです。
しかし、”窓の量”と”壁の量”は少し相対するものであると考えられます。
耐震性を重視する現代では、窓は少なくなっているのが現状です。

壁となる部分に設置されるのが、筋交い(柱と柱の間を斜めに渡す材)と呼ばれる材料です。
これは、地震による揺れの荷重や、積年の荷重に対して建物を強くする部材です。
今では、耐震パネルと呼ばれる、筋交いに代わる構造パネルも多く導入されております。

壁倍率(構造計算方法の一部)の計算では、タスキ掛けの筋交い(5.0)が一番強く、その次に両面張りにした耐震パネル(4.0)が強いとされています。(構造計算について詳しくないため少し不安です・・・)
いづれにしても、耐震性が求められる今の工法では”壁”が重視されてきております。

少し気になっているのは、耐震パネルについてで、構造計算上は十分な強度が出るのですが、”最初だけ”となる事を恐れています。
多く見るのが、柱に対しての釘留め(ビス留め)の工法のため地震の揺れにより少しずつの穴が開いてしまう事も考えられるような気がしてます。
もし緩んだ場合には、効果は相当薄れるものではないかと思います。

また、このパネルを貼る事による、通気・換気性の低下を若干疑います。
通気性が悪くなった場合、内部湿気による悪影響(腐食等)も考えられます。
この現象が起こった場合も耐震性は下がります。

実験・研究もされているため、大丈夫だと思いますが、少し気がかりな部分です。
「長年を考えた耐震性」では実績のある”筋交い工法”が有利な気がしております。

もちろん、この耐震パネルも様々な種類が有り、通気性が十分通用する商品もありますし、実験や研究での性能が確かなものもありますので、全部がダメとは全く思いません。

個人の考えが ” 出来上がり時点の性能の良さ ” だけの検討だけにして欲しくないため、このような書き方にさせて頂きました。
将来にわたってマイホームが活躍できるようにしていきたいと思っています。

まだ在来工法の躯体について、ご説明する部分が多く残されているので、徐々に書き出ししていきます。(もしかしたらまた一気に書き出すかもしれません・・・)
今日はこれで話を終わりに致します。長い文面読んで頂きありがとうございました。

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